決算書の読み方
決算書の読み方を知ることは経営に携わる上で大切なことです。
なぜなら、経営判断をするために決算書(財務諸表)から業績の分析と問題発見ができるからです。
中小企業診断士の宮澤奈緒子です。
「決算書」は、言い換えると「財務諸表」とも言います。
決算書(財務諸表)や、会社の数字に苦手意識のある方が大勢いらっしゃいます。
そんな苦手意識の強い方におすすめの本をご紹介。
「決算書の読み方が面白いほどわかる本」落合孝裕(税理士)
これは、初心者の方にも良い本だと思います。
自社の経営に活かせる入門書

決算書や数字は苦手だと思っている方に言っておきます。
基本的に足し算、引き算、掛け算、割り算、(割合)が理解できれば決算書は理解できます。もしかしたら、計算の知識としては小学校の算数でも足ります。
ただし、「用語」は多少覚える必要があります。
以前、決算書の勉強会をするにあたって、当時、わかりやすいと評判の数冊を読み比べました。
その結果、今回おすすめする「決算書の読み方が面白いほどわかる本」。
私はこの本が一番わかりやすく、かつ自社の経営に活かせる入門書だと思いました。つまり基本が充実している初心者向け。
この本は、決算書を自社の経営に活かしたい方向け(経営者、後継者、管理者向け)だと私は思います。
入門書として読んでいただけますが、十分に経営に活かせるポイントがつまっている本です。
「決算書の読み方」というのは、経営判断をするために決算書(財務諸表)から業績の分析と問題発見ができるようになることです。
例えば、
「経営は順調にいっているか?」
「何が原因で思わしくない状態が生じたのか?」
「わずかなショックで倒産の危機に陥るようなことはないか?」
「どの問題から手をつけるべきか?」
こんなことが決算書から判断できるようになるのです。
「投資」について学びたい方は他にポイントがあるように思いますが、決算書(財務諸表)の基本を知りたい方には良い本だと思います。
この本のおすすめポイントは
・図(イラスト)が多いので直感的にイメージしやすい
数字が苦手な方は数字だけではイメージしづらい。どのページも見開きで右ページが文章、左ページが図表(イラスト)になっています。頭に入ってきやすい。
・本が厚くない
厚さ1㎝程度。このお手軽感が苦手な人のハードルを上げない。
・決算書のしくみを理解する35のツボ(ポイント)ごとにまとめられている
1つのツボ(ポイント)が図表も入れて4ページとコンパクトに説明されている。つまり気になるところをパラパラ読める。
・貸借対照表(B/S)の説明がわかりやすい
損益計算書(P/L)はともかく、貸借対照表(B/S)がピンとこない方が多いようです。貸借対照表ってこういうことなのか!がわかりやすい。
貸借対照表(B/S)が家計を例に説明してあり、わかりやすい
損益計算書(P/L)はともかく、苦手意識のある方には貸借対照表(B/S)がピンとこない方が多いようです。(かつて、新入社員時代の私がそうでした。)
この本では家計を例に貸借対照表を説明しています。
持ち物は豪華だけど借金(ローン)だらけの人。一見豊かそうですが、収入を超えたローン返済額だったらどう思われますか?
それに対して、質素な暮らしをしているけど預貯金がある人。
この対比はなかなかリアルです。貸借対照表ってこういうことなのか!がわかりやすい。
いつかやりたい「個人事業向け決算書の読み方講座」
ここまで読んでくださった個人事業主の方、申し訳ありません。
この本は「法人」、つまり「会社」の決算書(財務諸表)について説明されている本です。
個人の決算書は似ていますがちょっと違う。苦手な方は混乱してしまう部分があるかも。
「個人事業向け決算書の読み方講座」をいつかリリースしたいと思い続けてしばらく・・・(遠い目)。
■決算書も、本を読むのも苦手意識が強い方に講座をやっています
→会社の決算書の読み方講座はこちらから リンク先のページをスクロールして下の方でご紹介してます
決算書の読み方が面白いほどわかる本 概要

1章【基本の基本編】まずは決算書の概要を知っておこう
決算書のメインはB/SとP/L
なぜ貸借対照表と損益計算書の2つがあるのか
2章【損益計算書編】損益計算書で会社の業績がわかる
損益計算書で「会社の儲け」がわかる
「前期との比較」で会社の傾向を探ろう
3章【貸借対照表編】貸借対照表で会社の財政状況がわかる
貸借対照表を「自分の家計」でつくってみよう
貸借対照表は苦手というけれど・・・
4章【そのほかの諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう
「月次試算表」で毎月の業績をみてみよう
上場会社の決算書を比べてみよう
株主資本等変動計算書をみてみよう
現在は2023年に【改訂2版】が発行されているようです。買ってみようという方は【改訂2版】が良いと思います。おすすめです。
決算書の読み方が面白いほどわかる本【改訂第2版】
財務と経理はちがう
確定申告(税務申告)の時期になると「苦手だ」という方を見かけます。そういう方が苦手なのは、決算書ではなくて日々の「経理」だと思います。
「経理」というのは、お金や取引の流れを記録・管理する業務のことです。日々の経理の結果、1年の記録として決算書ができる。
それに対して「財務」は、会社の将来のお金を管理すること。具体的には、会社を経営するために将来必要となるお金を見積り、調達する計画を立て、管理することなど。
決算書などから将来を見通すのです。
私も商工会勤務時代、記帳代行業務(経理)は苦手でした。日を追ってのレシートの確認とか。
ですが、できた決算書をながめて変化を分析するのは好きなのです。
ちなみに記帳も慣れると淡々とできるようになりますよ。
コツは資料をまとめておくのと、貯めすぎないこと。会計ソフトへの入力は預金(通帳)取引からがおすすめ。現金出納帳はその後。
■決算書(財務諸表)も、本を読むのも苦手意識のある方に講座をやっています
→会社の決算書の読み方講座はこちらから リンク先のページをスクロールして下の方でご紹介してます