2025年11月に実施した「IPC・起業準備のレッスン<第3回:人材育成>」。
このオンラインセミナーでお伝えした内容をベースに、
起業したい方、起業初期の方に向けて、改めて少しずつ言葉にしています。
中小企業診断士・自己肯定力トレーナーの宮澤奈緒子です。
人を雇う=「できる人」を探すこと?
「人を雇おう」と考えたとき、多くの方がまず思い浮かべるのは、
- 即戦力になりそうか
- スキルや経験は十分か
といった、「能力」や「できる・できない」の視点ではないでしょうか。
もちろん、事業を回していく上で、一定のスキルや経験が必要な場面はあります。
ですが、
能力・スキルだけで人を選ぶのは、少し注意が必要です。
小さな組織ほど「合わなさ」が表に出やすい
人数が少ない組織の特徴
人数が少ない組織では、以下のような特徴があります。
- 経営者とスタッフの距離が近い
- 一人ひとりの影響が大きい
- 日々の行動や判断が、そのまま組織の雰囲気になる
「仕事はできるけれど合わない」が起きるとき
そのため、
「仕事はできるけれど、考え方が合わない」
「スキルは高いけれど、方向性がズレている」というのは、
違和感や食い違いとなって、表に出てきます。
能力だけでなく、見てほしい「価値観」という視点
人を雇う前に、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
人を雇う前に考えておきたい3つの問い
- どんな姿勢で仕事に向き合ってほしいか
- 何を大切にして働いてほしいか
- 困ったとき、どう考え、どう行動してほしいか
これらは、能力やスキルではなく価値観や仕事観に関わる部分です。
価値観が近い人と働くメリット
価値観が近い人と働くのは、
- 判断のスピードが合いやすい
- 説明にかかるエネルギーが少ない
- 小さなズレが大きな衝突になりにくい
というメリットがあります。
「一緒に成長する」ことを前提にするという選択
起業初期・小さな企業が置かれている現実
起業初期や小さな企業は、
- 十分な給与を出せない
- 教育体制が整っていない
- 余裕がない
という状況も少なくありません。
これが、起業初期や小さな企業の実情かもしれません。
だからこそ、「最初から完璧な人」を探すよりも、
「一緒に成長していける人」を迎える、という考え方があります。
最初から完璧な人を探さなくていい理由

これから一緒に働こうとしている人に、
- 学ぶ姿勢がある
- 素直に話を聞ける
- 価値観や方向性を共有できる
こうした土台があれば、最初から完璧な人である必要はありません。
スキルや経験は、後から積み重ねていくことができるのです。
人を雇うとき、経営者(あなた)自身が問われる場面
相手が見ているのは「あなたの会社の軸」
人を雇うとき、実は問われているのは、相手の能力だけではないかもしれません。
- この会社(あなた)は何を大切にしているのか、何を目指しているのか
- どんなチームをつくりたいのか
- そのためにどんな人を求めているのか
あなた(経営者)が、相手に問われていることかもしれません。
言語化されていないと起こりやすいこと
こうしたことが言語化されていないと、
- 同じ方向を向いていける仲間になれるか、判断に迷う
- 採用後に方向性が違って後悔する
- 伝えたいことが伝わらない
という状況が起こりやすくなります。
経営者も採用した社員も、双方が残念な思いをすることになりかねません。
採用と離職にかかる見えにくいコスト
せっかく採用した社員が離職してしまうと、実際問題として、大きな労力の負担が生じます。
社員の募集、採用、教育、育成、戦力化までには、多くの時間とエネルギーが必要です。
実は、それらの労力はすべて、見えにくいけれど、確実に発生しているコストです。
さらに、離職は労力だけでなく、周囲の社員のモチベーションにも影響します。
第1回でお伝えした
「なぜこの事業をやるのか」という問いは、
人を採用する場面、ここでも大きな意味を持ちます。
まとめ|「誰とやるか」は事業の質をつくる
人を雇うことは、
単に作業を分担することではありません。
- 誰と
- どんな価値観で
- どんな未来を目指すのか
その選択が、これからの事業の雰囲気や質をつくっていきます。
能力やスキルを見るだけでなく、ぜひ一度、こう問いかけてみてください。
「この人と、一緒に同じ方向を見られるだろうか。」
そしてその前に、あなた経営者自身が定めておく必要があります。
「この会社の目指す方向はどうなのか」
人を雇うことや、チームづくりについて考え始めると、
「自分は何を大切にしているのか」が、改めて問われる場面が出てきます。
もし、考えがまとまらないと感じることがあれば、個別にお話を伺う機会もご用意しています。















