今日は小企業が売上確保するのに必要なことを、小規模企業白書2024年版の概要からご紹介します。
中小企業診断士の宮澤奈緒子です。
「小規模企業白書」という国が2015年から発行している白書があります。
白書というのは、政府がある方面について、その現状の分析と将来の展望をまとめた実状報告書。
「小規模企業白書」は、小さな企業についての分析と将来展望が描いてある報告書、ということになります。
■小規模企業白書(中小企業庁サイト)
小規模企業者を「小企業」や「小規模事業者」と言ったりします。小さな企業。
企業と書いてますが、法人ではない個人事業主も含みます。お一人でやっている方も。私も小規模企業者です。
「小規模企業者」の定義についてはページの最後に。
小企業の売上確保
調査をもとに白書では、小企業が売上確保するには「コストを把握した適正な価格設定や、顧客ターゲットの明確化を行った上で新規顧客の獲得に取り組むことで、売上高の増加につながることが期待される。」としています。
「コストを把握すること」
コストを把握している事業者ほど、自社製品・サービスの優位性を価格に反映できている。(図1)
どんぶり勘定でなく、製品・サービスごとにコスト(原価)を把握している方が、価格に反映できている調査結果です。
製品・サービスごとにしっかりコスト(原価)把握することが大切なのです。
先日、飲食店さんの「原価計算と価格設定」のご支援に伺いました。自店の決算内容、メニュー原価を具体的にしっかり把握したことで、勇気が必要だった値上げ(価格反映)の意思決定もご自身でできました。
■原価計算と価格設定(相談事例)
当然、お客様が離れてしまうのが心配です。お客様との関係性を強くする販売促進策とあわせて継続してご支援中です。
「顧客ターゲットを明確化すること」
顧客ターゲットの明確化を行っている事業者ほど、年間売上高が増加する見通し。(図2)
このデータの方が「明確にできている企業」と「明確にできていない企業」のポイント差が大きく出ています。
小企業こそ、顧客ターゲットを明確にすることは大切だと私は思っています。
「顧客ターゲット」
つまり自社(自分、提供する商品・サービス)が、対象とするお客様が明確になっていることが、売上高に影響しているのです。
自社が対象とするお客様とは、自社の商品・サービスを支持してくれるお客様のこと。ファンになってくれるお客様のこと。お客様の人物像(ペルソナ)と言い換えることもできます。
例えば、
・お客様の属性(男女、年代、ライフスタイル、家族構成)
・商圏(どの地域のお客様なのか。地域密着なのか、広域なのか対面なのか、オンラインなのか)
・利用シーン(ビジネス、プライベート、一人で、家族で、仲間で、時間帯)
お客様の人物像(顧客ターゲット)が明確でないと、具体的にやること(手段)がブレます。
そして仮説検証を繰り返す
顧客ターゲットの設定は、ある意味、仮説とも言えます。仮説を立てて取り組んでみて、仮説を検証する。そして仮説を修正していく。大切なのは仮説検証を繰り返すことです。
PDCAサイクルとも言いますね。
P(Plan計画)→D(Do実行)→C(Check検証)→A(Action改善行動)
私のこのホームページも運用開始から1年ちょっと。
反応を見て、試行錯誤を繰り返しております。少しずつ変わっています。
目下、最も気になるのは私の顔写真(笑)!
そして当事者としても思います。
一人で考えていると客観性を持つのが難しい。他人と話すことで自分が見えることがあります。
■新潟県内の専門家派遣制度に登録されています
専門家派遣制度でのご相談を行っています。令和6年度は要件に該当すると無料で対応できる制度もあります。ご相談ください。
小規模企業者とは
「小規模企業者」とは、従業員20人以下(商業(卸売業・小売業)・サービス業は5人以下)の事業者等を指します。中小企業基本法に規定されています。
つまり
製造業:従業員20人以下
卸売業:従業員5人以下
小売業:従業員5人以下
サービス業:従業員5人以下
(参考)「小規模企業者」と「小規模事業者」の違いを教えてください
「小規模企業者」とは、中小企業基本法第2条第5項に規定する従業員20人以下(商業(卸売業・小売業)・サービス業は5人以下)の事業者等を指します。一方「小規模事業者」とは、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律第2条に規定する、商工会・商工会議所の支援対象となる小規模の商工業者や、所得税法施行令第195条に規定する青色申告を行う不動産所得の金額及び事業所得の金額の合計額が300万円以下の事業者等を指します。
各法律や支援制度において定義が異なる場合があります。 中小企業の定義(中小企業庁)についてから引用