非認知能力(ひにんちのうりょく)って聞いたことがありますか。
幼児教育で注目されていますが、大人にも大切な能力で、大人も伸ばせるものです。
自己肯定力トレーナー・中小企業診断士の宮澤奈緒子です。
数値では測定できない能力
幼児や小学生のお子さんをお持ちの方は、記憶にあるかもしれないこのコマーシャル。
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この夏伸ばしたい2つの「能力」
そ、れ、は、
「認知能力」と「非認知能力」
両方身に付く〇〇教室
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「認知能力」は、目に見える「学力」。数値(点数)で測定できる能力。
「非認知能力」は、主体性、やり抜く力、自制心、自己肯定感など。数値(点数)では測定できない能力。
CMのアニメーションでもありますが、「“今、注目の” 非認知能力」なんです。
このワードは、国内外において多くの人たちから関心を集めています。
今回は「家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ」中山芳一 著(東京書籍)よりご紹介。
基礎学力や年収に影響する非認知能力
実は、幼児教育の非認知能力が、幼児期以降の基礎学力や年収・持ち家率に多大な影響を与えることが研究でわかりました。
そこで非認知能力は幼児期に伸ばしたい力として注目を浴びています。でも実は、幼児期だけでなく、小学生や中高生、大人(成人)になってからも伸ばすことのできる力なのだそうです。
「非認知能力」を3つの枠組みで整理すると、
【自分を高める力】意欲・向上心、自信・自尊感情、楽観性など
【自分と向き合う力】自制心、忍耐力、レジリエンス(回復力)など
【他者とつながる力】共感性、協調性・社交性、コミュニケーション力など
VUCA(ヴーカ)の時代と言われています。先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代。
こうした時代を生き抜くのに、社会において、大人にも非認知能力が大切です。
本の帯にあるように、「正解」ではなく「納得解」を見出す力で先の見えない時代を生き抜く人材が求められています。
VUCA ヴーカ
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉。
自分の内面にかかわる力
「認知能力」と「非認知能力」は相反する関係ではありません。
これまで認知能力(学力主義など)が注目されていました。AI時代がやってきても認知能力が不要になるのではなく、どちらも大切な能力なのです。
非認知能力が伸びることによって、認知能力にもプラスの影響を与えるそうです。
非認知能力は自分の内面にかかわる力。そして「自分で」伸ばす力と紹介されています。
土台は自己肯定感
認知能力と非認知能力を「家」に例えています。
土台 → 自己肯定感(自己受容感)
柱・筋交い → 非認知能力
壁・天井・窓・扉・装飾 → 認知能力(知識・技能)
土台は「自己肯定感」。ありのままの自分を肯定的・好意的に思う感覚のこと。
基礎である土台がしっかりしていることで、そこに建てる柱も、屋根や天井を支えることができるのです。
非認知能力は大人になっても伸ばせる力、と著者の中山先生も書いています。
一番の土台となる自己肯定感も誰もがいつからでもトレーニングすることで高めることが可能です。
お子さんやお孫さんの自己肯定感を高めたいと思っている親御さん。
実は、あなたの自己肯定感がお子さんの自己肯定感の形成に影響しています。
自ら高めることがお子さんへの良い影響となって伝わっていくのです。